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≫AcademyのTOPへ 　■　クリエーターの自宅兼用オフィスは、住居専用規約に反するか？　　. 【概要】 小説・ライトノベル作家、イラストレーター・CGアーティストといったお仕事の場合、小規模で、職住一体、パソコンひとつで仕事をしているというクリエーターさんも多いはず。そういう、いわゆるスモールオフィス、ホームオフィスといえるような仕事環境の場合、ひょんなことから、「専ら住居として使用する」との規約に反しているとして、集合住宅からの退去を迫れられるとのピンチに陥ることがあります。 今回は、果たして、そのような規約によって追い出されることが不当ではないのか、がテーマです。 結論的には、多くの場合、規約違反には問えないと考えられます。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ ≪スモールオフィスと、住専規約≫ 集合住宅に住んでいると、何かしらのトラブルが原因となって、普段は死文となっている規約を振りかざして難癖をつけられる事態に直面することがあります。これが、イラストレーターさんなどの場合、作業的にパソコンがあればできることが殆どなので、自宅が職場ということも多く、そのような場合に、マンションを「住居以外の目的で使用している」と非難されると、困った事態になってしまいます。 そして、調べてみて初めて知ることも多いでしょう。即ち、意外なほどに、規約が（概括的にとはいえ）事細かに定められていること、しかも、普段は、誰も守っていないような事柄にまで定めがあることに。 ともあれ、標題のような場合、「住居としてのみ用いる」という規約に形式的には反していますので、法律に疎ければ、困った立場に追い込まれることでしょう。 しかし、実際には、妥当でない要求をどちらがしているのかといえば、必ずしも、「形式的には規約違反をしているように見える」クリエーターさんとは限らないのです。 裁判においては、「真に事業的規模と言えるようなオフィスであるか」との観点から妥当な解決が志向されています。従って、パソコン一つで仕事をしているような場合、住居専用規約違反のみをもって重大な結果になることはないと考えても、まず大丈夫でしょう。 このことを上手く解説したものとして、下記の参考文献がありますので、参照してください。 民事保全法の専門書ですが、事案の性質上、（本案）訴訟で争われるよりも、その前段階の保全訴訟で争われることが多く、そのことを反映しただけであり、この問題に関する基本的な考え方において相違はありません。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≫AcademyのTOPへ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　■ArchiveSelection　　　参考資料　.　　　 ◆　住居専用条項に違反するか　民事保全のテキストより　. 〔資料〕（須藤典明編著〔門口正人〕『新裁判実務大系１３　民事保全法』青林書院〔2002年3月〕277頁） 住居専用条項が規約にある場合に、これに反する用途に利用する場合は規約違反となるが、これが（区分所有）法６条１項によって禁止される共同の利益に反する行為に当たるか否かは、個々の事案における建物自体の立地や利用しようとする用途の種類や目的・態様、その必要性の程度、これによって他の区分所有者が被る不利益の態様、程度の諸事情を比較考量して判断される。 例えば、住居専用のマンションの一室を事務所として使用する場合、形式的には規約違反となるが、事務所といっても常時複数の社員を雇い、多数の事務所機器を設置し、不特定多数の人や物の出入りがある場合と小説家・写真家等が自宅兼用でパソコン等を用いてスモール・オフィス、ホーム・オフィスとして使用する場合とでは、おのずと結果が異なるであろう。 後者は、会社員が会社の仕事を自宅に持ち帰って、あるいは、フレックスタイム制を利用して自宅で自分のパソコン等で会社の仕事をする場合と外形的には何ら異ならない場合があり、住居の平穏・良好な住環境を害せず、共同の利益に反しないと評価できる場合がある。 Welcome to “The Creator'sRight” 拍手で、あなたの声を 届けます！ HOMEへ 　　◆Creator'sRight！　　　　　　　 クリエーターの為の総合情報サイト 　　　 　　　イラストレーター、CG、ライトノベル作家、アニメ、声優 etc...　　Mail 　　　　　　■お問い合わせ